突然ですが、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)をご存じですか?
不妊治療においてよく耳にする体外受精(IVF) と顕微授精(ICSI)。
どちらも高度生殖医療として知られていますが、その違いや特徴をご存知でしょうか?
今回のブログでは、体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の基本から、それぞれのメリットや適したケースについて、分かりやすく解説していきます!
妊活を考えている方や治療の選択に迷っている方は、ぜひ最後までお読みいただき、知識を深めてみてください📘
それでは、まず体外受精(IVF)とは何かからスタートしましょう!
体外受精(IVF)とは?
「体外受精 (IVF:In Vitro Fertilization)」とは、卵子を体外で精子と受精させる治療法です。
不妊治療の一つで、さまざまな理由で妊娠が難しい方々にとって、非常に有効な治療法とされています。
この治療では、排卵誘発剤を用いて卵巣を刺激し、複数の卵子を採取し、
次に採取した精子と体外で受精させ、受精卵を適切なタイミングで子宮内に戻すことで妊娠を目指します。
自然妊娠では体内で行われる受精の過程を、シャーレ上で行うのが特徴です。
体外受精(IVF)のステップ
1. 卵巣刺激
まず、排卵誘発剤(内服薬や注射)を使用して卵巣を刺激します。
これにより、複数の卵胞を成長させることが可能になります。
通常、自然な月経周期では1個の卵子しか成熟しませんが、体外受精(IVF)では複数の卵子を育てることで、採取できる卵子の数を増やし、成功率を高めることを目的としています。
2. 卵子採取
卵子が十分に成熟したタイミングで、卵巣から卵子を採取します。
この採取は超音波ガイド下で行われ、細い針を使って卵巣に直接刺し、卵子を吸引します。
麻酔を使用するため痛みは少なく、通常は日帰りでの処置となります。
3. 精子採取
男性から採取した精子を洗浄・選別し、その中から質の良い精子を選択します。
質の高い精子を使用することで、受精の成功率を向上させます。
また、必要に応じて精子を凍結保存しておくことも可能です。
4. 受精
卵子と精子が準備できたら、体外で受精させます。
通常、精子を卵子の周囲に配置し、自然に受精するのを待ちます。
受精が成功すると、卵子は胚(受精卵)へと成長していきます。
5. 胚移植
受精卵が順調に分割を進め、発育が良好な胚が育ったら、その胚を子宮内に移植します。
移植は痛みが少ない簡単な処置であり、麻酔の必要はありません。
6. 黄体ホルモン補充
胚移植後、妊娠を維持しやすくするために黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充します。
このホルモンは子宮内膜を維持し、受精卵が着床しやすい環境を整える役割を持っています。
補充方法は注射や内服薬などが一般的です。
7. 妊娠判定
胚移植後、約2週間後に血液検査を行い、妊娠の有無を確認します。
妊娠が成立している場合、ホルモン値が上昇し、判定は「陽性」となります
体外受精(IVF)はどんな人に向いている?
✅タイミング療法や人工授精(IUI)で妊娠が達成できなかった場合
✅不妊の原因が特定できない場合(原因不明の不妊)
✅年齢が上がることで妊娠率が低下している場合(特に35歳以上の女性)
✅排卵障害がある場合
✅ピックアップ障害(卵子を卵管に取り込まれにくい)
✅卵管閉塞・卵管狭窄(卵管が閉じている、または狭くなっている)
また、男性側に以下の問題がある場合にも、体外受精(IVF)は有効です:
✅無精子症(精子が全くない)
✅精子無力症(精子の運動能力が低い)
このようなケースでは、体外での受精により成功率を高めることが期待ができます。
体外受精(IVF)の成功率は?
一般的には、35歳以下の女性では1回の周期あたり30〜40%の成功率とされています。
これは卵子の質や卵巣の機能が比較的良好であるため、妊娠しやすいです。
しかし、40歳以上になると成功率は15〜20%程度に低下します。
40代後半になるとさらに減少する傾向があります。
そのため、治療を検討している場合は、早めの開始が推奨されることが多いです。
とはいえ、年齢に関係なく成功するケースもあるので、
個々の状況に応じた適切な治療を選択することが重要です。
2020年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績|日本産婦人科学会
顕微授精(ICSI)とは?
「顕微授精(ICSI:Intracytoplasmic Sperm Injection)」は、単一の精子を顕微鏡下で直接卵子に注入する方法です。
通常の体外受精(IVF)では精子が自然に卵子へ侵入するのを待ちますが、顕微授精(ICSI)では技術的に精子を卵子の内部に直接注入します。
実は顕微授精(ICSI)も体外受精の一種ですが、精子の運動性が低い場合や精子数が少ない場合にも受精が可能になるのがメリットです。
無精子症でも精巣上体精子、精巣精子が採取可能であれば実行可能な方法です。
それでは顕微授精 (ICSI)のステップを解説していきます!
顕微授精(ICSI)のステップ
*体外受精(IVF)のプロセスに加え、以下の工程が行われます:
1. 精子の選別
顕微授精(ICSI)では、顕微鏡を使用して精子を選びます。ここでも運動性が高く、
形が正常な精子を選びます。
精子の数や運動能力に問題がある場合でも、運動性が高い精子を選別することで、受精の可能性を高めることができます。
2. 精子注入
選ばれた精子は、特殊な細い針を使って、直接卵子の中に注入されます。
このプロセスでは、精子が卵子に自然に入るのを待つのではなく、技術的に精子を卵子の内部に直接注入するため、精子の数が少ない場合や運動能力が低い場合でも受精のチャンスを得ることができます。
3. 受精確認
精子が卵子に注入された後、受精が正常に行われたかを確認します。
24時間以内に、卵子が受精して分裂を始めるかどうかを確認し、
正常に受精した場合、胚として成長が続きます。
顕微授精(ICSI)はどんな人に向いている?
顕微授精(ICSI)の特徴は、卵子1個に対して精子1個があれば受精が可能という点です。
これにより、以下のようなケースに適しています:
✅精子の運動性が極端に低い
✅精子数が少ない(乏精子症)
✅精子の形に異常がある(奇形精子など)
✅通常の体外受精(IVF)で受精率が低かった
顕微授精(ICSI)は特に精子の質に問題がある場合に有効で、精子数が少ない・運動能力が低いケースでも授精の可能性を高めることができます。
顕微授精(ICSI)の成功率は?
2020年に公益社団法人日本産科婦人科学会が発表したデータによると、
顕微授精(ICSI)による胚移植の妊娠率は全国平均で19.9%です。
顕微授精(ICSI)では、顕微鏡を使って精子を卵子に直接注入するため、
一般的な体外受精(IVF)よりも受精率が高いとされています。
しかし、顕微授精(ICSI)の成功率も年齢の影響を受けるため、
特に女性の年齢が上がると妊娠の可能性は低下します。
2020年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績|日本産婦人科学会
体外受精と顕微授精の違いは?知っておきたい不妊治療の基礎知識|torch clinic.
体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の違いは?
方法 |
体外受精(IVF) | 顕微授精(ICSI) |
受精の仕組み: | 精子と卵子を培養し、自然に受精を待つ | 顕微鏡下で精子を卵子に直接注入 |
対象となる人: | 卵管閉寒・排卵障害がある人 | 精子の運動能力・数が低い人 |
技術介入: | 比較的少ない(自然に近い) | 高度な技術が必要 |
受精率: | 精子の質に依存 | 高精度な受精が可能 |
どちらを選ぶべき?
不妊治療を検討する際、体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)のどちらを選択するべきかは、不妊の原因や状況によって異なります。
✅男性不妊が原因の場合→顕微授精(ICSI)が適している
✅女性側に卵管の問題がある場合 → 体外受精(IVF)が効果的
✅原因不明の不妊の場合 → まずは体外受精(IVF)を試し、必要に応じて顕微授精(ICSI)に移行
どちらの治療が適しているかは、一人ひとりの状況によって異なります。
専門医と相談しながら、最適な治療法を選択することが大切です。
治療を検討している方は、ぜひお気軽にルミラスにご相談ください!
参考文献
-
体外授精の成功率は?年齢別の確率や妊娠に導くポイント|六本木レディースクリニック.
-
2020年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績 | 日本産婦人科医会.
-
体外受精とは?費用やスケジュール、妊娠の成功率などを解説 | 男性不妊治療・手術は銀座リプロ外科. (n.d.). 銀座リプロ外科 東京の男性不妊治療|医療法人社団マイクロ会.
- 体外受精と顕微授精の違いは?知っておきたい不妊治療の基礎知識|torch clinic.
お知らせ
妊活中はパートナーとのお付き合いや仕事との両立や、
なかなか友達に相談しずらいといった点など、悩みは尽きないかもしれません。
ぜひこの機会に無料LINE相談をご利用いただき、妊活の一歩を踏み出してください。
夢の実現に向けて、私たちが全力でサポートいたします!🌈
以下リンクまたはQRコードからLINEお友達登録が可能です!
![](/uploads/post/20230706-6.jpg)
このような方におすすめ
-
マレーシアでの不妊治療に興味がある
-
マレーシアでの産み分けに興味がある
-
オススメの不妊治療クリニックやドクターを知りたい
-
ルミラスのセミナーやイベントに参加したい
-
妊活や不妊治療に関して相談したい